「自由に並べられる」ことは、必ずしも「使いやすい」ことを意味しません。パネルを自由に配置できるUIを設計するとき、私たちが最初に直面したのはその矛盾でした。自由度が高すぎると、ユーザーは何をどこに置けばいいかわからなくなる。この記事では、Core PanelVaultの開発を通じて学んだ、モジュール型ダッシュボードの設計原則を整理します。

グリッドへの吸着は「制約」ではなく「足場」

パネルをドラッグしたとき、グリッドに吸着する設計にするかどうかは、初期の開発で一番議論になった点です。自由配置派の意見は「ピクセル単位で置きたい場所に置けるべき」というものでした。しかし実際にテストしてみると、グリッドなしの自由配置は「どこに置いても正解に見えない」という不安を生みました。グリッドへの吸着は制約ではなく、ユーザーが安心して置ける足場です。Core PanelVaultでは12カラムのグリッドを採用しています。

パネルの「重さ」を揃える

情報量の多いパネルと少ないパネルを同じ画面に並べると、視線が重いパネルに引っ張られすぎます。私たちはパネルごとに「情報密度スコア」を内部で定義し、一画面に配置できる高密度パネルの数を推奨値として提示するようにしました。強制はしません。ただ、「この配置はやや情報が多めです」という表示を出すことで、ユーザーが自分で判断できるようにしています。

デフォルトレイアウトの重要性

新しいチームがCore PanelVaultを使い始めるとき、最初に表示されるデフォルトレイアウトの設計には特に時間をかけました。空白のキャンバスを渡されると、多くのユーザーは「何から始めればいいかわからない」と感じます。私たちは業種別に3種類のスターターレイアウトを用意しています。これをそのまま使ってもいいし、崩して作り直してもいい。出発点があるだけで、最初の一歩が踏み出しやすくなります。

変更を「怖くない」ものにする

バージョン履歴機能を実装した理由の一つは、ユーザーが配置変更を怖がらないようにするためです。「元に戻せない」という不安があると、ユーザーはレイアウトを触らなくなります。実際、バージョン履歴を追加したあとのユーザー行動を分析すると、パネルの配置変更頻度が平均で2.3倍に増えていました。ツールは触られてこそ意味があります。

モジュール型UIの設計は、自由と構造のバランスを取り続ける作業です。Core PanelVaultでも、まだ答えが出ていない問いがいくつかあります。気になる点があれば、お問い合わせはこちらからどうぞ。